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【ラーメン】峰中華飯店【宮城・多賀城】

多賀城で用事をすませたわたくしは、泉方面へと車を走らせます。

 

陸前山王をこえたあたりで、夕日が沈んでいくのを見ながら、そういえばこのあたりってラーメン不毛地帯だったかしら、白河ラーメン(こちら)はあるけれど・・

 

と思ってグーグルマップで検索したところ、「中華飯店峰」が、ピョコンヌと出てきました。

 

峰・・?

 

その名前を聞いた時にふと思い出した、心の奥の宝お気に入りの箱の中にしまい込んだ、宝物みたいな記憶がひとつだけありました。

 

でもな・・峰は閉店したんだ。そんなわけないよ・・

 

カーステレオから流れるマイナーコードのアルペジオが、切なさを加速させます。カーステレオ使ったことないけど

 

だって、峰は・・

 

―閉店したんだ―

 

 

 

記憶をさかのぼる事平成元年代。25年くらい前になります。

 

今は立派なおじさんの私も四半世紀前は、いと可愛らしい子供だったのですが、田舎すぎて出前なんて来てもらえない地域に住んでいたわたくしの家までラーメンを出前してくれていたのが、峰中華飯店でした。

 

ピザも来なかったからなあ。本当に近くにお店がなくて。最寄りのコンビニまで徒歩20分とかですからね。

 

その頃峰は利府街道のハローマックの近くにあったんだけど・・そういえばハローマックなくなった?利府だけじゃなくて。知ってます?ハローマック。靴流通センターっていう安い靴屋さんとどこでも同じ建物で抱き合わせ販売という攻めた布陣で一時代を築きあげたおもちゃ屋さんなんですけれど・・

 

そんなことはどうでもいいんです。出前が来ないっていう話です。唯一出前をしてくれていたお店なので、子供心に、「お店で食べるものがおうちに来る、なんて、大人はすごいことを思いつくなあ」と感心しきりでありました。

 

だいたいが、一日中お出かけした日、夕方に帰ってきて、「今から夕飯を作るのも、母さんが大変だろう。よし、峰のラーメンでもとるか」となるので、お出かけの日は朝起きた瞬間から夜寝るまでずっとワクワクしきりだったのを覚えています(家のかあさんのごはんは絶品なのですが、お店のものを食べられるというワクワクです)。

 

さて、そんな峰のメニューですが。今回は先に言います。

 

峰では味噌ラーメン。味噌ラーメン一択。

 

うちの人たちはみんなもっぱらラーメンかチャーシューメンだったのですが、わたくしはひげがのびっぱなしの細もやしをバカみたいに積んだ味噌ラーメンがお気に入りでした。

 

今では野菜をモリモリにするのはよく見ますが、わたくしが子供の頃はあまりなかったから、峰の味噌ラーメンってなんか特別な気がしていたんです。

 

大人になってから、いろんなラーメンを食べ歩いてきたから、今峰に行ったら、「あ、こんなもんか・・」ってなる可能性を大いに感じます。

 

あの峰なはずはない・・でも・・もしかしたら・・

 

思い出の中で美化させておいたほうが幸せなのかもしれない・・

 

そんな想いが胸を駆け巡ります。

 

しかし、過去を受け入れなくては、建設的な未来を構築することはできません。かたく閉じていた目をカッと開き、こう叫びました。

 

「ええい、ままよ!!!!」

 

そして思いました。

 

「ええいままよ!!!!」って言ってる人、漫画の中以外で見たことないなあ、と・・

 

ええいままよってなんだろう、ええいは気合だろうけど、ままよ・・?

 

は?

 

そんなことを考えているうちにお店に到着しました。閑静な住宅街。

 

 

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うわあ多分だけど絶対あの峰だああ!!!!

 

だって違うお店なわけないよ、同じ地域で急に峰かぶりしないもん!!絶対あの峰だよ、あのころ利府界隈を牛耳っていた峰が今目の前にあるんだ!!

 

おっじゃましまーす!!!!

 

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すごくいい・・居心地がすごくいい・・

 

泉が丘の栄龍飯店も確かこんな感じだね、出前メインだからかメインテーブル二席だけ置いて、事務仕事も店内でやっちゃうみたいな。

 

出前のチラシと同じメニューが店内に張ってあります。味噌って決めてたから撮り忘れてきちゃった。

 

速攻でミソラーメンを頼み、友人は半中華丼ラーメンセットを頼みました。

 

ってかばあちゃん!あの頃もばあちゃんだったけどまだばあちゃんだったの!?若い!!お元気で何より!!!!

 

そうそう、ばあちゃんが作って、じいちゃんが出前してたんだけど、そういえばじいちゃんはまだ見てないな・・まああの頃もう結構じいちゃんだったしな・・うう・・

 

代わりにお母さんがお手伝いしていました。娘さんなのかな。味が伝承されていく感じでいいですね。

 

カランカランじゅわあ。厨房のにぎやかな音に耳を傾けながら、当時の話に花を咲かせます。

 

店内には僕たち二人だけという事もあり、すぐに配膳されました。

 

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うわあああああああああ

 

これだよおおお!!!!!!

 

これがおれを作った味噌ラーメン!!!!もやしのひげも入ってる!!このボロボロ入ったひきにく!!うれしい!!

 

そして友人の半中華丼ラーメン。

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変ってない!!!!

 

うちの人たちはこの、かたいチャーシューが好きで、ふんぱつしよう!となるとチャーシューメンにしてたなあ。あと半中華丼も結構量あるんだよなあ。

 

いわゆるこれこれ系なので、味のほうはご想像通りで合ってると思います。

 

やっぱ思い出って最高のスパイスなんだなあ。おなかいっぱい、むねいっぱい!!

 

友人と、いやあ、うまかったねえ、あの時のままだったなあ、と、「初めて自分のお金で食べた思い出のラーメン」に感激していると、ガラガラっとドアが開き、出前から戻ったらしき人物が・・

 

じいちゃん!!!!!!?????

 

うわー!ごめんなさい!!さっきもうじいちゃんはいなかったみたいに書いてた!!

 

てかばあちゃんに続いてじいちゃんもあの頃すでにじいちゃんだったのにまだじいちゃんでバリバリ現役で出前しとりますやん!!!!しかもなんかちょっと痩せてシュっとして健康的になってない・・?

 

ラーメンだけでなく、お店からもパワーをいただきました。

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